ドッグトレーナーの上石です。
今回のテーマは前回の記事とも関連する内容で「愛犬がやせてきたときに、どのように対応すれば良いか」についてお話しします。
「なんだか少しほっそりしたかも…?」と思ったとき、どんな原因が考えられるのか、そしてどう対応すれば良いのか、ぜひ参考にしてみてください。

◆ 痩せてきた主な原因
① 食欲不振
摂取カロリーが足りず、やせてしまうケースです。
原因としてはストレスや環境の変化などが考えられます。
たとえば引っ越しや家族構成の変化、旅行などによって生活リズムが乱れるとわんちゃんの食欲が落ちることがあります。
② 消費カロリーが増えた
運動量が増えた結果、やせている場合もあります。
いつもより散歩の時間が長かったり、ドッグランで思いきり走ったりした後に体重が減るようであればこの理由が考えられます。
③ 年齢による変化
年齢を重ねてシニア期に入ると、若いころと比べて栄養の吸収がうまくいかないことがあります。その結果、徐々にやせていくことがあります。
上記のどれにも当てはまらない場合は、消化管などに疾患がある可能性もありますので、一度動物病院を受診されることをおすすめします。
◆ 対応
① 体重を測る
毎日、もしくは定期的に体重を測ることで日々の変化を把握できます。
グラフや表にまとめておくとわかりやすく、動物病院を受診する際に獣医師へ見せることでより的確な判断を得られます。
② 食事量を測る
ごはんの量が毎回バラバラだと正確に食欲の変化を判断できません。
毎回同じ量を計って与えるようにし、次のポイントを確認してみてください。
- 食いつきはどうか
- 完食しているか
- 完食までにどのくらい時間がかかるか
ごはんの袋に「1日の目安量」が記載されていることが多いので、それを参考に調整すると良いでしょう。
③ シニア犬の場合
最近は消化の良いシニア犬用フードも増えています。
年齢に合ったごはんに切り替えることで、栄養の吸収をサポートし体重維持にもつながります。
◆ やせは「体からのサイン」
やせるということは、話すことができないわんちゃんからのメッセージです。
人と違い、体重が軽いわんちゃんにとってはわずかな変化でも体への負担が大きくなります。
たとえば、人の500グラムと犬の500グラムではその意味合いがまったく違います。
少しでも「おかしいな」と感じたら、病院に行く十分な理由になりますので早めの受診をおすすめします。
◆ チェックポイント:やせているかの見分け方
犬種にもよりますが、背中を触ってみるのが目安になります。
- 背骨を軽く触ってわかる程度 → ちょうど良い体型
- 背骨が見た目でも浮き出ている → やせすぎ
- 背骨がまったく触れない → 肥満傾向
あくまで目安ですが、一度確認してみてください。
愛犬の体重や体型の変化には、必ず理由があります。
日々の観察とちょっとした記録が、早期発見や健康維持につながります。
大切なパートナーのために、ぜひ気にかけてあげてくださいね。
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上石 圭一郎
(UEISHI Keiichiro)
京都市伏見区 GINGA代表
大阪府の訓練施設で訓練技術を学んだ後、長野県のペットサロンでしつけ部門の責任者として経験を積みました。その後、地元である京都府でDogTrainingGINGAを開業いたしました。
社名にもなっているGINGA(銀牙)は私が子供の頃を共に過ごした愛犬の名前です。当時は私もまだ幼く、しつけの知識がありませんでした。
技術や知識が身についた今、振り返ると銀牙にしてあげられなかった事がたくさんあり後悔する事も多々あります。
今、愛犬と共に過ごす飼い主様が私と同じ思いをしないよう、後悔なく愛犬と共に過ごせるように精一杯サポートさせていただきたいと思います。



