こんにちは、ドッグトレーナーの上石です。
突然わんちゃんが痙攣を起こすと、飼い主さんはとても驚き不安になりますよね。
私自身も新人の頃に初めて見たときは、どうしたら良いのか分からず慌ててしまいました。
今回は、痙攣とは何か、どんな原因があるのか、そして飼い主さんができる対応についてまとめました。

◆ 痙攣とは?
痙攣とは、身体が急につっぱったり硬直したり、ぴくぴくと震えるような動きを指します。
泡を吹いたり、よだれが大量に出たりすることもあり、いわゆる「ひきつけ」と表現されることもあります。
主な原因
痙攣が起こる背景には、さまざまな原因があります。
● 脳に原因がある場合
・てんかん
・脳腫瘍 など
脳の神経伝達が乱れることで痙攣が発生します。
● 脳以外に原因がある場合
・熱中症
・発熱
・低血糖
・中毒(誤食など)
このように、身体の異常が脳に影響を与え、痙攣につながることもあります。
◆ 痙攣が起きたときの対応
わんちゃんが痙攣を起こすと焦ってしまいますが、まず大事なのは「慌てないこと」。
安全を確保しながら、落ち着いて対処してあげましょう。
① 周囲の物をどかして安全を確保する
痙攣中、わんちゃんに意識はありません。
身体が大きく動くため、家具や硬い物にぶつかってケガをしてしまうことがあります。
近くのものをできるだけどかし、危険の少ない空間を作ってあげましょう。
② わんちゃんに触らない
痙攣中は力のリミッターが外れるため、反射的に噛んでしまうことがあります。
こちらがケガをしないためにも基本的には触らないようにしてください。
ただし、舌だけは注意が必要です。
③ 舌の位置を確認する
舌が喉の奥へ入り込むと、気道をふさぐ危険があります。
その場合は、棒状のものやタオルなどを使い、
無理のない範囲で舌を軽く前に出してあげてください。
(※わんちゃんは歯を強く食いしばっていることが多いので、くれぐれも無理はしないでください。)
④ 痙攣が落ち着いたら、優しく声をかける
痙攣が治まった直後は、ぼーっとしたり不安そうな表情をすることがあります。
名前を呼んだり、落ち着ける声でそばにいてあげると安心します。
◆ 病院へ連れていくタイミング
痙攣は、一度治まっても一定の間隔で繰り返し起こることがあります。
原因を特定するためにも、できるだけ早めの受診をおすすめします。
動物病院では痙攣の瞬間を直接見ることができないため
- 痙攣の様子(動き、時間、表情)
- 痙攣が起きた間隔
- 直前のわんちゃんの状態(食事・行動・誤食の可能性など)
をできる範囲で記録し、獣医さんに伝えていただけると診断がスムーズになります。
飼い主さんだからこそ気づける「前兆」
わんちゃんと暮らしていると、日々いろいろな変化があります。
言葉では伝えられない分、飼い主さんの観察がとても大切です。
今回の痙攣も
- 落ち着きがなくなる
- 突然吠える
- そわそわ歩き回る
といった前兆が見られることがあります。
普段から様子をよく見ている飼い主さんだからこそ、小さな異変に気づいてあげられる場面も多いと思います。
◆ おわりに
痙攣は誰が見ても不安になりますが、正しい知識を持っておけば、わんちゃんの安全を守ることができます。
今回の記事が少しでも参考になれば嬉しいです。
わんちゃんとの生活が、安心で楽しい毎日になりますように。
今回も読んでくださり、ありがとうございました。
上石 圭一郎
(UEISHI Keiichiro)
京都市伏見区 GINGA代表
大阪府の訓練施設で訓練技術を学んだ後、長野県のペットサロンでしつけ部門の責任者として経験を積みました。その後、地元である京都府でDogTrainingGINGAを開業いたしました。
社名にもなっているGINGA(銀牙)は私が子供の頃を共に過ごした愛犬の名前です。当時は私もまだ幼く、しつけの知識がありませんでした。
技術や知識が身についた今、振り返ると銀牙にしてあげられなかった事がたくさんあり後悔する事も多々あります。
今、愛犬と共に過ごす飼い主様が私と同じ思いをしないよう、後悔なく愛犬と共に過ごせるように精一杯サポートさせていただきたいと思います。


